にきさん家は、住宅密集地に建てたアウトドアなお家。
敷地は、旦那さんのご実家の横でご実家が所有している土地。土地代が掛からなかったり、ご実家の支援が受けやすかったりするメリットがある反面、
横に三階建て住宅、正面に3階建の黒い住宅、後も住宅が近接していて、周辺に庭など緑のある家のない路地の中間にる土地。
敷地内にご実家用のカーポートを建てる必要もありましたので、最初の印象としては、暗くて窮屈な場所でした。
施主のにきさんは、登山やキャンプが好きで自然豊かな場所で時間を過ごすのが好きなアウトドア派の旦那さんと裁縫や料理、お子さんと絵本を読んだりする時間が好きな、どちらかといえばインドア派の奥さん。
【自然を感じたい、家でキャンプがしたい、子どもと庭遊びをしたい】
そんなご家族の想い(主に旦那さん)をこの敷地で実現する為にどうしたものか?と考え、
2階に日常生活を送るLDKを持っていき、目線を上げて少しでも開放的で近隣の目を気にせず過ごせ、また、車を気にせず外遊びをする子どもを見守れる2階リビングと大きなデッキのある家が良い。とある程度U設計室内ではまとまっていたのですが、
丹後で2階リビングの家は多くは無いので、しっかりと施主さんにわかりやすい形で条件の検討が出来る様に最初に近隣を含めた3Dのシュミレーションを制作しました。(いつもこの作業はするのですがにきさん家は特に細かく3D制作しました。)
現地で1日の日照状況や人・車通りの多さも調べた上で、敷地に影を落とす近隣の建物も3Dで作成して 、どの家の影が各季節毎に何時から何時までどのような影をつくるかを検討し、
なるべく気持ちのいい1階リビング案2案と2階リビング案2案を考えて4案とも3D化してどんな家を建てるとどういう日当たりや隣家の目線があるかを見てもらいました。
結果的には2階リビング案になったのですが、1階リビングの可能性を最大限検討して共有することは、家族が後で「1階だったらどんな感じだったんだろう?」と想いを馳せることの無い様とても大事な時間だったと思っています。
そうやってできたお家がこんなお家です。
外観は夫婦の好きな紺色をベースにしつつ、通りに緑を提供できるようなつくりにしています。背の高いアオダモは2階デッキの風景をつくりながら隣家の目隠しの役割も担っています。
奥まった玄関は少し角度を振って、道路や車庫から少し目線をずらしています。
玄関を入るとアウトドアグッズやコート掛けのあるシューズクローゼット。
階段の吹き抜けから光が落ちるので中廊下も明るい。
階段下には洗面脱衣室。乾燥室も兼ねているので洗濯物を畳むテーブルもあります。
寝室からはご両親と共有の物干し庭へ出られるようになっています。
1、2階のトイレやパントリーには、奥さんの好きなかわいい花柄のクロスを使用しています。
お家のテーマカラーのブルーを使用しながら、奥さんやお子さんの好きな絵本が面出しで飾れるキッチンスぺース。
リビングは壁を挟んでデッキと繋がっており、上の子の外遊びを下の子と一緒に屋内から見守れます。
家キャンプなんかも出来たりします。笑
今回の家づくりではおめでたい事に、計画から完成の間に、にきさん家族が1人増えました!
U設計室では毎週、現場打合せと施主さんに進捗共有をしに現場へ伺うのですが、奥さんの妊娠出産期間中つわりがしんどくて、現場を見てもらえない中で現場を進めさせてもらいました。
旦那さんが毎週現場の写真で奥さんに共有してくださったのも思い出です。
それでも奥さんにとっては、途中経過を現場で共有しきれない家づくりになったと思いますし、
「完成した家が思っていいた感じと違う。」と感じないか、見てもらう時には本当にドキドキしました。
結果すごく気に入っていただき、ホッとしました。
家族の写真を取りに行った際には、デッキにテントが張ってあり、「夏にはデッキで何度もプール遊びしたよ。」と言っていただき、
暮らしを楽しんでくださっている風景が本当にうれしかったです。
U設計室としても、狭小地の家づくりや花柄の活用など新しいい試みが出来てとても楽しく勉強になるお家でした。いつもながら家づくりをご一緒出来て本当に感謝です!